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現場管理者とはどのような仕事?必要資格はある?
2023年06月15日
建設現場では、安全かつ効率的にスケジュールを進めるために現場管理者が必要になります。
また、現場管理者は施工管理者や現場監督と呼ばれることもあり、違いが気になる方もいるかもしれません。
そこで今回は、現場管理者の業務内容やスキルアップに繋がる資格を紹介していきます。
現場管理者とは?施工管理者や現場監督との違いとは?
現場管理者はどのような業務内容なのでしょうか。
また、現場管理者と似た名称に施工管理者や現場監督があります。
本項では、現場管理者の職務内容から施工管理者や現場監督との違いを解説していきます。
現場管理者・施工管理者・現場監督、どう違うの?
現場管理者とは、工事における工程・品質・予算・安全などの管理業務を行う職種で、「施工管理者」と「現場監督」に分業しているケースが一般的です。
施工管理者の主な役割は、工事現場の指揮・監督及び役所への書類手続きや設計者との打ち合わせなど多岐にわたります。
一方、現場監督は管理業務の面では施工管理者と同様の役割を持っていますが、施工管理者よりも技能的な業務を行うケースも多い印象です。
また会社によっては、一人の担当者が「施工管理者」と「現場監督」の2つを兼務するケースも見られます。
主任技術者・監理技術者・現場代理人とは?
前項では、「施工管理者」と「現場監督」の違いについてを紹介しました。
また、建設業を行うに当たって建設業法により規定された「主任技術者」・「監理技術者」・「現場代理人」という制度に従う必要があります。
そこで本項では、この3つの役割を紹介します。
主任技術者とは?
主任技術者は、建設業法の規定により全ての工事現場に配置されている施工技術を持つ技術者のことです。
職務内容は、前項で紹介した現場管理者の職務に加えて、下請け業者への指導も含まれます。
また、主任技術者に選ばれるには以下に記載されている①〜③のいずれかが必要です。
①1級国家資格者
・1級施工管理技士
・1級建築士
・技術士
②2級国家資格者
・2級施工管理技士 など
③実務経験者
・指定学科の大学を卒業し3年以上の実務経験
・指定学科の高校を卒業し5年以上の実務経験
・10年以上の実務経験
(詳しくは、国土交通省地方整備局のHPを参照ください)
監理技術者とは?
監理技術者は、建設業法の規定により請負代金総額4500万円以上(建築一式工事の場合は7000万円以上)の工事現場に配置されている管理責任者で、1級国家資格者もしくは相応の実務経験を必要とします。
職務内容は、工事の規模が違うだけで主任技術者とあまり変わりません。
また、監理技術者に選ばれるには以下に記載されている①〜③のいずれかが必要です。
①1級国家資格者
・1級施工管理技士
・1級建築士
・技術士
②実務経験者
主任技術者の中で、元請として4500万円以上の工事を2年以上指導監督した実績を持つ者
③国土交通大臣特別認定者
(詳しくは、国土交通省地方整備局のHPを参照ください)
現場代理人とは?
現場代理人は、請負会社の代理人として工事を取り仕切る立場の者を指し、公共工事では必ず配置しなければならないと定められています。
また現場代理人には資格や実務経験の規定が無いことが、主任技術者や監理技術者との大きな違いです。
しかし、実際は主任技術者や監理技術者が兼務をしたり、これらの職務経験者が選ばれたりするため有資格者となっているケースも多くあります。
現場管理者にはどのような資格が必要?
前項では、主任技術者・管理技術者・現場代理人について紹介しました。
また前項で紹介した通り、現場代理人を除く上記技術者は国家資格が必要になります。
そこで本項では、主任技術者や管理技術者に繋がる資格である「施工管理技士」を紹介します。
施工管理技士とはどんな資格?種類は?
施工管理技士は国土交通省に認可される国家資格で、1級と2級に分かれています。
また、2級を取得すると「主任技術者」の要件を満たし、1級を取得すると「主任技術者」と「監理技術者」の要件を満たすことができます。
さらに、施工管理技士資格は工事内容ごとに細分化されており以下の分野があります。
①建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
日本建設機械施工協会
【業務範囲】
ブルドーザなどの建設機械の指導・監督が可能
【合格率】
・1級:学科試験:20%台、実地試験:50%台~80%台
・2級:学科試験:30%台~50%台、実地試験:60%台~80%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、2級に比べ1級学科試験の難易度が高めなことがわかります。
(詳しくは、日本建設機械施工協会のHPを参照ください)
②建築施工管理技士
建築施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
建設業振興基金
【業務範囲】
建築学や施工管理法を基に工事現場の管理業務が可能
【合格率】
・1級:学科試験:30%台~50%台前半、実地試験:30%台後半~50%台前半
・2級:学科試験:20%台~40%台、実地試験:20%台~50%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、、2級の方が合格率が低い特徴があります。
(詳しくは、建設業振興基金のHPを参照ください)
③電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
建設業振興基金
【業務範囲】
電気工事現場の管理業務が可能
【合格率】
・1級:学科試験:30%台~50%台、実地試験:50%台後半~70%台
・2級:学科試験:20%台~40%台、実地試験:20%台~50%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、1級・2級共に同程度の合格率なことがわかります。
また1級を取得し、2年以上の実務経験を積むと建築設備士の受験要件を満たします。
(詳しくは、建設業振興基金のHPを参照ください)
④土木施工管理技士
土木施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
全国建設研修センター
【業務範囲】
河川・道路・上下水道などの土木工事の指導・監督が可能
【合格率】
・1級:学科試験:50%台~60%台前半、実地試験:20%台後半~40%台後半
・2級:学科試験:60%台~70%台前半、実地試験:30%台~40%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、1級2級ともに実地試験の難易度がやや高めと言えるでしょう。
(詳しくは、全国建設研修センターのHPを参照ください)
⑤管工事施工管理技士
管工事施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
全国建設研修センター
【業務範囲】
冷暖房設備や給湯設備、ガス配管などの建築物における管工事の指導・監督が可能
【合格率】
・1級:学科試験:20%台~50%台、実地試験:50%台~70%台
・2級:学科試験:40%台後半~60%台、実地試験:40%台後半~60%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、1級2級ともに50%以上が合格する年度もあるので、中程度の難易度と言えます。
また1級を取得し、2年以上の実務経験を積むと建築設備士の受験要件を満たします。
(詳しくは、全国建設研修センターのHPを参照ください)
⑥造園施工管理技士
造園施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
全国建設研修センター
【業務範囲】
公園・緑地・遊園地などの造園工事の指導・監督が可能
【合格率】
・1級:学科試験:30%台~40%台、実地試験:30%台~40%台
・2級:学科試験:40%台~50%台、実地試験:40%台~50%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、1級・2級共に同程度の合格率なことがわかります。
(詳しくは、全国建設研修センターのHPを参照ください)
⑦電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士の詳細は以下の通りです。
【試験機関】
全国建設研修センター
【業務範囲】
電話やテレビ、インターネットなどの情報通信設備工事の指導・監督が可能
【合格率】
・1級:学科試験:30%台~40%台、実地試験:30%台~40%台
・2級:学科試験:50%台~70%、実地試験:30%台~50%台
(2018年から2022年までの合格率を示す)
このように、2級の学科試験を除き、1級・2級共に同程度の合格率なことがわかります。
(詳しくは、全国建設研修センターのHPを参照ください)
上記のように、施工管理技士は工事内容により細分化されていることや一部の資格が建設設備士に繋がることがわかります。
現場管理者とはどのような仕事?必要資格はある? まとめ
今回は、現場管理者の職務内容や施工管理技士資格を紹介しました。
施工管理技士資格は、現場管理者のステージアップに有効な資格だと知りましたね。
本記事から現場管理者の皆さんのステージアップの一助になれば幸いです。