お役立ちコラム

column

職長とはどんな役割のポジション?安全衛生責任者や現場管理者との違いは?

2023年06月08日

職長とはどのような役割のポジションなのでしょうか?
また、職長は安全衛生責任者や現場管理者とセットで語られることも多く、違いが明確ではない方も多いかもしれません。
そこで今回は職長の定義や役割に加えて、安全衛生責任者や現場管理者との違いも解説していきます。

職長とはどんな役割のポジション?安全衛生責任者や現場管理者との違いは?

職長とはどんな役割のポジションなの?

職長は、建設現場やその他多くの現場で重要な役割を果たしている存在です。
では職長とは、どのような役割のポジションなのでしょうか?
本項では、職長の定義と役割を解説していきます。

職長は法律で定められているポジション?職長教育とは?

職長は作業現場において作業者を直接指揮または監督する者を指し、職長教育の受講の上で就くことができるポジションです。
職長教育とは労働安全衛生法第60条で定められている教育で、厚生労働省で定める以下の内容を学習しなければならないとされています。

労働安全衛生法第60条で定める教育

①作業方法の決定及び労働者の配置について
②労働者に対する指導・監督の方法について
③厚生労働省令で定める労働災害防止に必要な事柄

職長教育は、労働安全衛生教育センターや建設技術教育センターなどで受講でき、講習形式も講習会(出張講習会を含む)とWEB講義が用意されています。

また、職長教育はおおむね5年ごともしくは、大きく設備を更新した際に再教育を求められる特徴があります。
ちなみに、職長教育は安全衛生責任者と兼務するケースも多いため、職長・安全衛生責任者教育として安全衛生責任者資格と同時受講できるプランも存在します。

職長はどんな役割を果たすポジションなの?

職長は、安全・品質・工程・原価・環境・作業者の指導監督と言った直接的に作業現場に関わる業務が多い印象です。
そのため、職長は製品知識や技能に加えて、機械設備関連の知識やコミュニケーション能力も必要となります。
そこで職長教育では、安全や作業方法の決定などの方法論に加えて、指導方法なども学べるようなカリキュラムになっています。

職長と安全衛生責任者の違いはなに?

前項で、職長と安全衛生責任者を兼務するケースも多いと述べました。
では、安全衛生責任者とはどのような役割を果たすのでしょうか?
本項では、安全衛生責任者の定義と役割を解説していきます。

安全衛生責任者とは?安全衛生責任者と職長では何が違う?

労働安全衛生法第15・16条では、安全衛生責任者は建設業やその他政令で定める業種において労働災害を防止するための責任者と定義しています。
さらに同法律第19条では、企業は安全衛生責任者に対して能力の向上を目的とした教育機会を与えるように努めなければならないと定めています。

では安全衛生責任者と職長では何が違うのでしょうか?
それは、安全衛生責任者と職長が重きをおいている職務内容の違いです。
職長は製造における製品品質・作業手順及び人員配置・教育などものづくり全般に重きを置いているのに対して、安全衛生責任者は労働災害の防止に重きを置いています。

しかしながら、製造現場において作業手順や人員配置と労働災害は密接な関わりがあり、作業手順の改善や人員配置の変更により労働災害が減少するケースも少なくありません。
そのため各企業では、安全衛生責任者が職長と兼務することにより、ものづくりの安全や品質の向上を図るケースも見られます。

安全衛生責任者はどんな役割を果たすポジションなの?

「安全衛生責任者」の役割を解説する前に、「総括安全衛生責任者」と「安全衛生責任者」の違いについて確認する必要があります。
工事現場では、ものづくりを進めるに当たって建設関連や電気関連などの様々な技術と技能が用いられており、1つの工事現場で多くの専門業者による工事を行うケースがほとんどです。

そのため、労働安全衛生法第15条では工事の元方事業者(最初の発注者)から工事現場全体の安全を総括する者として「総括安全衛生責任者」を選出しなければならないと定めています。
対して「安全衛生責任者」は発注者から工事を請け負った業者(受注者)の中から選出され、総括安全衛生責任者との連絡・調整が主な役割のポジションです。

また、安全衛生責任者は「安全衛生マネジメント協会」などが開催する講習や前項で紹介した職長・安全衛生責任者教育を受講する必要があります。

職長と現場管理者の違いはなに?

職長と似たポジションに現場管理者というポジションもあります。
では、職長と現場管理者ではどのような違いがあるのでしょうか?
それは、職長が直接的に作業者の指導や監督を行うポジションであるのに対して、現場管理者は工事全体の管理を担うポジションという違いです。

また、労働安全衛生法に基づく職長や安全衛生責任者と建設業法と関わりを持つ現場管理者では法令上の違いも存在します。
しかしながら、これらのポジションは実質的に重複している業務が多く、それぞれを兼務するケースも多く見られます。

職長とはどんな役割のポジション? まとめ

今回は、職長の定義や役割に加えて安全衛生責任者や現場管理者との違いを解説しました。
職長は、幅広い業務知識と技能そして指導力が必要なことがわかりましたね。
そのため職長の役割を知り、広い視野で工事業務に携わることで、より一層スキルアップに繋がることを期待します。

関連記事

Related post